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IEの視点で見直す「運搬活性」   ー 工場・倉庫の生産性を底上げする場内物流改善の考え方 ー

  • 執筆者の写真: G support
    G support
  • 1月21日
  • 読了時間: 3分

工場や倉庫では、原材料や仕掛品、製品を「運ぶ」作業が日常的に発生します。フォークリフトや台車、人の手による搬送は、現場を支える重要な業務です。しかし、IE(Industrial Engineering:生産工学)の考え方では、運搬作業は付加価値を生まない活動として位置づけられています。だからこそIEでは、長年にわたり「運搬をいかに減らすか」「避けられない運搬をいかに効率化するか」が重要なテーマとされてきました。その代表的な手法が運搬活性分析です。



■ 運搬活性分析とは何か


運搬活性分析とは、工場や倉庫内で行われている運搬について、

・何を

・どこからどこへ

・どの頻度で

・どの手段で

・どれだけの距離・時間をかけて

運んでいるのかを可視化し、運搬に潜むムダや非効率を構造的に洗い出す分析手法です。

工程間の運搬経路を線で描く「スパゲッティ図」や、運搬距離と回数を掛け合わせた負荷分析を行うことで、現場では当たり前になっている遠回りや二度運び、不要な往復といった問題が客観的に把握できるようになります。



■ 運搬活性が低下している現場の共通点


多くの工場・倉庫で、次のような状態が見受けられます。

・品種増加や生産量変動に対し、レイアウトが更新されていない

・一時置き場や仮置きが増え、同じ物を何度も運んでいる

・運搬ルールが人任せで、属人化している

・フォークリフトや台車が空で走っている時間が長い

・在庫配置が最適化されておらず、動線が複雑化している

これらは、運搬に多くの時間と人手を費やしているにもかかわらず、成果につながりにくい状態、すなわち運搬活性が低い状態といえます。



■ 運搬活性を高めるための基本的な考え方


IEの視点では、運搬改善は次の順序で検討することが重要です。

第一に、運搬そのものをなくすことです。工程統合や工程順の見直し、前後工程の近接配置などにより、そもそも運ぶ必要のない構造をつくります。これは投資が少なく、効果が大きい改善です。

第二に、運搬距離や回数を減らすことです。在庫配置の見直しや定位置・定ルート化により、人や車両の無駄な移動を減らします。これだけでも現場負荷は大きく軽減されます。

第三に、運搬手段の高度化、すなわち省力化・自動化です。コンベヤやAGV・AMR、自動倉庫などの導入は、整理されたレイアウトとルールがあってこそ効果を発揮します。



■ 自動化を成功させるために欠かせない視点


運搬の自動化は、省人化の切り札として注目されがちですが、現状の運搬をそのまま自動化してしまうと、ムダを高速化する結果になりかねません。

運搬活性分析により現状を正しく把握し、例外やイレギュラーの多さ、人が判断すべき領域と機械に任せる領域を整理したうえで、自動化を検討することが重要です。



■ 運搬活性向上は場内物流改革の第一歩


運搬活性の向上は、単なる省力化にとどまりません。リードタイム短縮、在庫削減、作業負荷の平準化、ヒューマンエラーの低減など、経営成果に直結する効果をもたらします。

IEに基づく運搬活性分析は、場内物流改善や自動化、DXを進めるうえでの出発点です。まずは「どこで、なぜ、運んでいるのか」を見直すことが、持続的な生産性向上への第一歩となります。

 
 
 
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